横浜元町時計店・馬車道店

いつも横浜元町時計店・馬車道店のブログをご覧頂きありがとうございます。
少しヒンヤリした日が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか？いよいよ台風シーズン突入で、来週も残念な日が増えそうです。気圧の変化で体調を崩される方もいらっしゃると思いますので、くれぐれもご用心くださいませ。


今回、お預かりしたのは…


タグ・ホイヤー『リンク　クロノグラフ自動巻き』です。

タグ・ホイヤーは1860年にスイス・バーゼルで創業。モーターレース界との関わり合いが深く、2003年まで、自動車レースの最高峰でもある、F１の公式時計を担当していたほどです。

今回お預かりした『リンク』の最大の特徴は優雅なブレスレット。人間工学的に考え出されたこのS字型のブレスレッドは、『リンク』の先代モデル『S/el（セル）』（1987年～99年製造・販売）から受け継がれました。この『S/el（セル）』は当時のF1チャンピオンだったアイルトン・セナが着用したことで、大人気を博します。『リンク』は、その後を受け継ぎ1999年に発売されたモデルです。モデルチェンジをするたびに、このS字が、よりシャープになってきているのが興味深いです。丸みとシャープさ、絶妙のデザインだと私は思います。

さて、お預かりした時の状況ですが…
購入以来、オーバーホールをされたことがなかったご様子で、時間ずれるという状態でした。チェックさせて頂いたところ…
・香箱一式交換
・1番受け交換
・2番車交換
・各穴車交換
・各穴駆動車交換
・巻上減速車交換
・キチ車交換
・ツヅミ車交換
・ストップクリック交換
上記パーツの交換と分解清掃を行い、メンテナンスを完了致しました。

今回は交換箇所も多かったですが、無事に修復でき、本当に良かったです。国内メーカーですと、生産中止から一定期間が過ぎると交換パーツのストックが無くなり、メーカーでも修復できない時計があり困っている、と最近、お客様から伺いました。オリジナルの状態で長くお使いになるには、こまめなメンテナンスが大切だと思っています。少しでも異変を感じられましたら、お持ちいただければ幸いです。

今回も最後までお付き合いして頂き、ありがとうございました！